生活習慣と肥満・糖尿病発症について


<参考文献> 

Television watching and other sedentary behaviors in relation to risk of obesity and type 2 diabetes mellitus in women. 


 <種類> 

Prospective Cohort Study


 <Abstract 要約> 

最近では、テレビの視聴時間と健康問題の関係が証明されつつある。この研究もその一部をなすもので、活動量が肥満・糖尿病発症とどのような関係があるのかを調査した。


 <Method 方法> 

Obesity(肥満) BMI30未満 50227名 女性(30-55歳)

T2D(2型糖尿病) T2Dでない 68497名 女性(30-55歳)

※. ベースライン時に心血管疾患/糖尿病/癌と診断されていない


追跡期間6年


 <Result 結果>


左から順に

・TV視聴時間(2h/d)

・座位での仕事(2h/d)

・ただの座位時間(2h/d)

・立位での仕事(2h/d)

・家の中で立位(2h/d)

・速歩(1h/d)

を示しており、1日の生活の中でそれぞれを増加させた際に肥満・糖尿病発症率はどう変化するのかを示している。

例えば、TV視聴を2時間増加させた場合は、肥満リスクは23%up、糖尿病発症リスクは14%up。

立位での仕事や家の中で立位をとる時間を2時間増やすことで、肥満リスクは9%down、糖尿病発症リスクは12%down。

速歩に関しては、肥満リスクは24%down、糖尿病発症リスクは34%down。



こちらの図は、

・横軸=活動量

・縦軸=リスク  を示している。


白丸はテレビ視聴時間6時間未満、灰色が6−20時間、黒丸が20時間以上を示している。

図を見てみると、

活動量が多いほど、各発症リスクは低下することがまずは読み取ることができる。

ついで、どれだけ活動量が多くてもテレビ視聴時間が増えればそれだけで発症リスクは増加する。





個人的には、非常に面白い論文でした。

僕たちはよく、「運動しましょうね。」、「歩きましょうね。」などと指導することがあると思いますが、それだけでは肥満を発症するリスクすら低下させることはできない可能性が高いのです。

いかにして座位の時間(テレビ視聴時間etc.)を減少させることができるのかを考えていく必要があると思います。これこそまさに役割の付与ですね。




Yusuke


リハビリテーション×スペシャリスト

<HPの概要> 理学療法士と作業療法士が、 お互い得意とする分野に関する情報発信を行い、 皆様にとって有益な情報を提供すること <大切にしている言葉> ”広く浅くから、広く深く” <担当> Yusuke:糖尿病×リハビリテーション Masashi:運動器×リハビリテーション

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